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第9話 絶対に許さない。

作者: 琉球狸
last update 公開日: 2026-07-27 22:09:42

「本当よ...お母さんが臆病なばっかりに結愛に

嫌な思いをさせてごめんね。」

美奈子は、結愛に笑顔で言葉を返す。

美織の取り巻きの女性が美奈子の前に乗り出す。

「こんなおばさんが碧くんの招待ですって!

最近、多いのよねー。

ファンのおばさんが興信所とか頼って、ストーカーまがいな真似しちゃってさ」

「あなたたちもその悪質ストーカーなんじゃないの??。こんな歳にもなって...娘さんも連れて

恥ずかしくないの??お、ば、さ、ん」

いやみたらしい表情で美奈子に詰め寄る。

「......そんなことは、ありません。

私はちゃんと碧くんから直筆でご招待いただきました。」

美奈子は、下唇を噛みながら、でも結愛に

心配はかけまいと平然とした表情で言葉を返す。

「碧くんから手紙って??妄想もいい加減にしなさいよ。まして、美織の前でさ!!

美織と碧くんは互いに想い合ってるのよ。」

他の取り巻きが言葉を続ける。

「そうよ。この前のLive配信も感動したわー

きっと美織に正式な交際を申し込むために作った

ラブソングよね。」

取り巻き達が騒ぎ出すことで、美織と美奈子達の周りに人だかりが出来る。

「いい加減さ、夢
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    タクシーを降りたのは、朝の六時を少し過ぎた頃だった。初夏の空はもう白み始めていて、美奈子は昨夜のドレスの上にトレンチコートを羽織っただけの格好で、マンションのエントランスに向かって歩いていた。足取りは軽いのに、どこか後ろめたい。まるで高校生が門限を破って帰ってきたような、そんな感覚が胸の奥にあった。 ――昨夜、あのBARで初めて会った時の碧の笑顔が、まだ瞼の裏に焼き付いている。二十歳も年下の青年に、こんな気持ちにさせられるなんて。四十四にもなって、まるで恋を知ったばかりの少女みたいだ。エレベーターを降り、玄関の鍵を開ける手が、少しだけ震えた。物音を立てないよう、そっとドアを開く。リビングの明かりが、ついていた。「……ただいま」小さな声で言いながら靴を脱いでいると、ソファの方から声が飛んできた。「おかえりって言えると思う?」結愛だった。制服のまま、ソファに膝を抱えて座っている。目の下にはうっすらとクマができていて、スマホの画面には見覚えのあるSNSのタイムラインが表示されたままだった。「結愛……お泊まり会は?もう学校あるでしょ、早く寝な――」「寝れるわけないじゃん...連絡もつかないし!何からあったのかと思って抜けてきた!」結愛の声は、刃物のように鋭かった。「お母さん、朝帰りだよ? 分かってる? 高校生の娘がいる家の母親が、朝の六時に帰ってくるって、どういうことか分かってんの?」「それは……」「年甲斐もなく、朝帰りとかやめてよね!!」その一言が、美奈子の胸に深く刺さった。反論できない。事実、その通りだから。美奈子は玄関先に立ち尽くしたまま、コートの袖をぎゅっと握った。昨夜の高揚感が、急速に冷めていくのが分かる。「ごめんなさい......心配かけたね」「心配とかそういう次元の話じゃなくてさ」結愛は立ち上がり、キッチンの方へ向かいながら、背中越しに言った。「誰と一緒だったの」問いというより、確認だった。まるで、答えをすでに知っているような口ぶりで。美奈子は言葉に詰まった。碧のことを、どう説明すればいいのか。二十歳年下のアイドルと、BARで出会ったその日のうちに一晩過ごしたなんて、口が裂けても言えない。少なくとも、今は。「……友達と、飲みすぎちゃって。そのまま友達の家に泊まったの」我ながら、下手な嘘だと思っ

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